昨日11月27日の日曜日。
NHK大河ドラマの『鎌倉殿の13人』は最大の山場の一つ、三代将軍源実朝の暗殺が描かれました。
暗殺の日のホロスコープ
その運命の日は西洋暦では1219年2月13日(建保7年1月27日)です。
いやはや一つでもインパクトのある重要ホロスコープ、グランドトライン、Tスクエア、カイト、レクタングルなどが形作られているド派手なホロスコープには圧倒されます。
事件が起こった時の正確な時間が分かればさらに面白いのですけど、夜に起こったことはわかっているので、太陽は1室から6室のどこかという事になります。
凶星が入ると国の重要人物の死を象徴することのある8室やテロ及び陰謀を表す12室にどのような天体が入っていたかが、興味津々です。
夫婦仲の良さをも表すグランドトライン
アスペクトをひとつづつ見ていきましょう。
まず、国そのものや最高権力者を表す太陽が水瓶座、月と天王星が天秤座、そして木星が双木座でグランドトライン(吉正三角)。
月はマンデンホロスコープでは民衆をあらわしますが、個人的なホロスコープでは妻も表します。太陽と月を含むグランドトラインは実朝夫妻を象徴しているようにも見えて面白いですね。
仲は良く、とてもおおらか(木星)そして、少し変わっている(天王星)夫婦だったのでしょうかね?
そしてこのグランドトラインの一角天王星には、牡羊座の海王星がオポジションとなり、それを太陽と木星が調停してカイト(凧)というアスペクトも作っていたので、穏やかなはずのグランドトラインも活性化していました。
暗殺の引き金Tスクエア
次に天秤座に天王星に牡羊座の海王星がオポジション、そして山羊座の火星と水星が両天体にスクエアをかけていて、Tスクエアを形作っています。
水星と海王星のハードは情報の混乱、火星と海王星は被害妄想、それに突発的出来事の天王星が絡んでいて、暗殺事件はこのアスペクトの影響が強いようです。
暗殺者の公暁の動機は「親の仇」。
しかし二代将軍頼家が排除されその後暗殺された当時実朝はまだ十二歳で、本当の敵は北条と言ってもいいのに、まず叔父の実朝を狙った公暁の「情報の混乱」と「被害妄想」は一体誰の手で形作られたものだったののか?
アスペクトの中にある水星は文官、火星は武人をも表します。そして山羊座の支配星は土星で、社会的ステイタスの高い者、いわば重鎮的立場の者を現わしていたりするのですが、はてさて…?
太冥オポ軸にレクタングル
もう一つ太陽には冥王星のオポジションがあり、それにそれぞれ天王星と海王星が調停して長方形を形作っています。これはミスティックレクタングルと言って、天体同士のエネルギーの交換が活発に行われる座相です。
その座相に関しては、こちらの記事でも扱っておりまして、承久の乱の翌年にも同じアスペクトが形作られていました。
あの当時トランスサタニアンの三天体(天海冥)が調停の座相を形作っており、そこに太陽などの重要天体がからむと、このような珍しいアスペクトが形作られる時代でした。
特に冥王星は「破壊と再生」を司り、突発的な事柄(天王星)により、社会の基礎を溶かし(海王星)つつ、大崩壊と改革を帯び起こすパワーを発揮していたのでしょう。
実朝の時世の歌
暗殺された実朝はその直前に
出でいなば 主なき宿と 成ぬとも 軒端の梅よ 春をわするな
という歌を残していて、それはドラマでも紹介されていました。
この歌を見た時菅原道真の
東風吹かば においをこせよ 梅の花 主なしとて 春をわするな
と、いう歌に似ているなと思いました(いわゆる本歌取りかな)。
実際それは指摘されており、大宰府に流される前に梅の花を読んだ道真の境遇になぞらえた実朝の心情が、単にいずれ鎌倉を離れる心づもり故だったのか?それともやはり自分の身によからぬことが起こる予感をもっていたのか?
謎ですが切ないですね。
それではまた<(_ _)>。
そのキーマンの一人、後鳥羽上皇を扱った記事です。
一緒に読んでいただけると嬉しいです。