一年の計は春分にあり
もうすぐ春分の日ですが、占星術ではこの春分こそ元日にあたり、一年を占うための重要な日となります。
これは占星術の起源ともいえる古代メソポタミアにおいて、農耕のため昼と夜が同じ時間となる春分の日が重視されていたことに始まります。
太陽が牡羊座に入った瞬間を「春分図」といい、この一年の世界の状況などを占うことができます。
マンデン占星術
そこで使われる十天体や十二ハウスの象意は個人を占う場合と少し異なります。
「マンデン占星術」といいますが、象意は下記のとおりです。
十二ハウス
- 第1ハウスー国民・世論
- 第2ハウスー国家財政・経済・税制・金融政策
- 第3ハウスー情報・通信・交通・貿易・マスコミ
- 第4ハウスー気候・国土・地殻・治安・災害
- 第5ハウスーレジャー・芸術・投資・人口増減・穀物生産高
- 第6ハウスー官僚・軍隊・労働・医療・食料
- 第7ハウスー外交・条約・紛争・ビジネス関係
- 第8ハウスー死・損失・国債・海外経済
- 第9ハウスー司法・貿易・学問・宗教・高等教育
- 第10ハウスー政府・与党
- 第11ハウスー通貨・議会・同盟国・地方自治
- 第12ハウスー妨害・騒乱・テロ
十天体
- 太陽 ―権力者・国家元首・国そのもの
- 月 ―民衆・人気・国民の意識
- 水星 ―通信・情報・若者・商売・紙幣・証券
- 金星 ―金銭・経済・女性・子供
- 火星 ー武器・軍隊・機械
- 木星 ー権威者・宗教・哲学・法律
- 土星 ー義務・規律・困難
- 天王星ー突発・変化・改革・IT技術・科学
- 海王星ー薬品・アルコール・麻薬・石油
- 冥王星ー異常事態・核兵器・原子力
始原図
国によって「建国記念日」「独立記念日」「革命記念日」などいろいろ名称が変わりますが、それを誕生日と設定してネイタルホロスコープを作成して鑑定するのです。
これを国の「始原図」と言います。
日本の場合、紀元前660年2月11日に神武天皇が即位したから「建国記念の日」に設定されたというがさすがに昔すぎる!
よく使われる日付としては次のものがあります。
サンフランシスコ講和条約が締結した日(1952年4月28日)。
日本が独立し戦後体制を形作ったから。
あるいは明治時代の大日本帝国憲法発布の日(1889年2月11日)。
近代国家としての連続性から。
いろいろありすぎて占者によってまちまちなのですが、何を占いたいかによって使い分けるというやり方もありますね。
例えば戦後の自民党が行ってきた政治体制が今後どうなっていくかについては、サンフランシスコ講和条約の日、つまり1952年4月28日を使うといいし、古代から連綿と続いている日本という国が今後どうなっていくのかは、2月11日という日付を無視することはできません。
【実例】アメリカ・ロシア・日本の春分図
太陽が牡羊座に入る瞬間は地球上のどこにいても同じです。
太陽をはじめとする十天体がどの星座にあり、天体同士がどういうアスペクトを取るかもこれまた同じなので、地球、つまり世界がこの一年どういう運命をたどるかはそれで大まかにわかることです。
でも太陽及び天体がある位置、つまり入るハウスは国によってそれぞれ違い、そこから各国の一年の運気も変わってきます。
続いてロシアの首都モスクワに合わせた春分図
そして日本の東京の合わせた春分図
これらを比べてみると、国そのものを表す太陽の星座はいつも牡羊座で変わらないけど、入っているハウスがアメリカの場合、議会や同盟国を表す11室。
ロシアの場合、外交や紛争を表す7室。
そして日本はマスコミや情報、貿易を表す3室です。
それから苦難を表す土星がロシアの場合、軍隊などを表す6室に入っているのが今の状況そのまま表しており、春分の日が過ぎてもその状況が続きそうなところが悲しいところです。
国民意識を表す月は天秤座の最終度数にあり、山羊座の冥王星と90度のハード。
予想だにしない出来事(異常事態)が国民を苦しめる可能性を表しています。
アメリカの場合、冥王星が海外経済や損失を表す8室にあり、6室の医療、労働、あるいは食料などで国民に何らかのプレッシャーを与える可能性。
ロシアの方は投機や芸術を表す5室に冥王星、月は国家財政を表す2室にあります。
余談ですが5室には属国や植民地という象意もあり、ロシアがウクライナをそういう目で見ていたとしたら、これまた象徴的ですね。
日本の場合、異常事態の冥王星は国家そのものを表す1室にありますが、財政などを表す2室との境目にあり、それにも影響を与えている模様。国民の意識は与党を表す10室に向いています。
春分図をさらに細かく見る手法として、各国の始原図と合わせてそのアスペクトを観る手法もあります。
春分図そのものが波乱含みでも、始原図との関係からそこまでハードな局面にならないこともあれば、逆に春分図が穏やかでも始原図との関係が厳しい場合もあります。
その手法における記事はいずれ。
今回はここまで、それではまた<(_ _)>。