みーしゃの月と星がたり

知識のない人でも楽しめる占星術エッセイめざします

勝海舟のはためいわくなラブ&ピース【魚座強化期間】

幕末から明治維新に活躍した英傑の一人、勝海舟は西洋暦に直して1823年3月12日の生まれ、太陽星座魚座の人物です。

 

幕末の妖精のホロスコープ

勝海舟を書籍にて初めて知ったのは司馬遼太郎歴史小説竜馬がゆく』です。

その中で司馬氏は勝海舟のことを「幕末の動乱に神が遣わした一匹の妖精」と評しています。どこかごつごつとした雰囲気の歴史小説というジャンルの中で「妖精」なんて言葉が出るとは!

 

でも典型的な魚座イメージの代物です「妖精」とは(⋈◍>◡<◍)。✧♡。

 

俯瞰的な知性と懐の広さ

何はともあれまず勝のネイタルホロスコープを見てみましょう。

 

魚座に太陽・月・火星と個人天体が集中しています。

自分を殺しに来た相手にも講釈垂れて、坂本龍馬などはそれで弟子になったなどという逸話もありますね。相手がどういう状況で、自分に何をしようとしたかにかかわらず受け入れる懐の深さは魚座パーソナリティと言ったところでしょうか。

知性を表す水星は水瓶座水瓶座の知性の特徴は俯瞰的なこと。

社会的頂点を目指す山羊座の後の水瓶座魚座というのは、その頂点から降りて社会的制約に対するこだわりがなくなっていく段階を示します。

幕臣でありながら敵対する薩長の人物とも交流を持ち、評価すべき人物は評価しています。『逆説の日本史』の著者井沢元彦氏は、勝海舟を幕末氏の中でも一級の人物と評していますがその根拠として、まだその当時は幕府あるいは藩などに寄ってその視点からものを見る人間が多かった中で、勝はいち早く「日本人」としての視点を持ち合わせていたからということです。

魚座水瓶座のコンボなら、俯瞰する力や社会的な枠組みにとらわれないモノの見方はお任せあれなのですね。

 

波乱含みの女性関係

人間としての懐の大きさや優れた知性などがネイタルホロスコープに示されていますが、金星は波乱含み。

牡羊座の金星は、山羊座天王星海王星の合にハードアスペクト

金星は制度の枠に関係ない男女の営みを表す天体で、今の時代ならかなりスキャンダラスな事件を起こす可能性のある素質を持っています。

 

貧しいころに一緒になった正妻の民子を常に重んじ、周囲にほめそやしていながら、民子には愛想をつかされていた気配…。

家庭生活を表す月は牡牛座の土星天王星海王星ともソフトアスペクト

土星のソフトアスペクトから感情を抑制する傾向はあるが忍耐強く落ち着いた性格。

そして革新的な思想に共鳴する素質が天王星とのソフトアスペクトから、優れたインスピレーション力は海王星とのソフトアスペクトからわかってきます。

当時異端視されていた蘭学の勉強をする勝を受け入れて、貧乏に耐えてきた糟糠の妻でしたから、家庭生活の幸せ、および、めちゃくちゃよくできた奥さんなのがネイタルホロスコープにも表れています。

そりゃあんたは幸せだったでしょうけどね、勝さん。

 

おんな太閤記との共通点

勝海舟の妻民子は死ぬ間際に勝の傍には埋めてくれるなと遺言をしたと伝わっています。

民子さんの話を調べた時、NHK大河「おんな太閤記」との類似点を感じました。

おんな太閤記」は農民から天下人へとなった豊臣秀吉の正妻の北政所ねねを主人公としたドラマです。秀吉の人柄に惹かれたねねは貧しい時代から夫秀吉と苦楽を共にし、子宝には恵まれなかったけど夫婦円満。秀吉は彼女を「おかか」とよびそれはもう大切にし、周囲にもほめまくるしのろけるし(。・ω・。)ノ♡。

しかし秀吉が天下人になると多くの側室を抱えます。

秀吉はそれでもねねを正妻として重く扱いますが、ねねの心は…。

 

ねねにとっては出世する前の貧しいときの方が幸せだったのでしょう。

民子も同じようなことを言っていました。

 

ドラマでは最後に、大坂の陣大阪城が焼け落ちるのを京都から見ていたねねの前に秀吉の魂が現れ、

「今度生まれてくるときは一生百姓をやろう。」と。

女性関係に悩まされた正妻のねねと秀吉が最後に心を通させて終了。

ドラマならきれいに終わっていたが現実はそうもいかないようですね。

(作注ー北政所の名については「おね」や「ね」の説もありますが、ここでは『おんな太閤記』で呼ばれた「ねね」を使用いたしました。)

 

ここから先は私見も入りますが、昔の力のある人間が複数の女性を愛すること自体はよくあることなので別にどうとも思わないけど、愛人も同じ家に同居させて、周囲の人間にそれでもうちはうまくいっている、と、どや顔で吹聴していたところが引くわ!

 

これなら「竜馬がゆく」のなかで、竜馬が3人の思い人(恋人)に香水を贈り、彼女たち三者三様の喜ぶ顔を想像して嬉しがっているシーンの方がまだかわいげがあるというもの!

作者の司馬遼太郎さんは、竜馬はまだ一夫一妻制が確立していない時代の男性だからなんて女性読者に気を使っているような文章を書いていて、そこもちょっと笑えたのですけどね。

 

魚座の「優しさ」があだになる

話を占星術に戻すと、魚座のキーワードには「許す」とか「受け入れる」とかがあり、相手からのひどい行いもけっこう許してしまう感性が魚座傾向の強い人にはあります(勝海舟は個人天体に三つも魚座を持っているからね)。

ゆえに当時の夫婦関係において女性の方がより忍耐を強いられる時代背景があったこともさることながら、自分がそういう感性を持っているから相手もそうだろうと思い込んでいたのではないのかな、勝さんは。

魚座的感性が過ぎると「仲良くすること」いわゆるラブ&ピースが、誰かの情緒的犠牲を強いる方向でしか達成できないにもかかわらず、それのすばらしさをいわば「無神経」に主張してしまう、という負の側面が出てくる場合があります。

 

アジア諸国と今も昔もうまくいかない原因の一つとして「朱子学の毒」を井沢氏は上げていました。説得だけでは日本が主張する「ともに近代化をして欧米列強に立ち向かおう」というのは残念ながら相手に受け入れられませんでした。

その果ての日清戦争に勝は反対していました。

この戦争に勝っても清が欧米列強の草刈り場になるだけで日本には何の益もない、と予言して当たったのはさすがというところです。

ただ、それならどうやって清や朝鮮を説得し難局を一緒に乗り切れたのか?

勝の批判を受け入れても解決できるかどうかは怪しかったですけどね。

勝と同じく最初はアジアとの共闘を夢見ていながら、結局これらの国を「悪友」と呼び縁を切ることを進めた人物として福沢諭吉がいます。彼がその考えに至ったのは李氏朝鮮の改革派の金玉均が無惨な刑に処せられたからです。

どちらが正しいかは判断に迷うところですが、福沢には福沢の絶望があってその判断になっていたのです。

 

みんな仲良くは美しいが、誰かが被害を受けたり情緒的犠牲を強いられたりしなければ成り立たない「ラブ&ピース」の主張ははた迷惑な時もあります。

現実を精査し適切な相手に適切な形で示すべき思いやりは何か?を判断する力、と、いうのは魚座にはあまりありません。そういう分析力は180度対向にある乙女座の得意技です。

 

それではまた<(_ _)>。

 

こちらとは別ブログになりますが、同じく明治維新の英雄西郷隆盛の記事です。

よろしければご一緒にどうぞ('ω')ノ。

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