今回は天王星と海王星、いわゆるトランスサタニアンという時代性を表す二つの天体が、象徴する政治思想を革命の歴史とともに語ります。
フランス革命に象徴される天王星
天王星は改革・革命の星と言われています。
この天体が発見されたのが1781年3月13日。
2年後の1783年、アメリカが独立を宣言しイギリスとの戦争に勝利。
6年後の1789年、パリ市民が放棄し、バスティーユ監獄を襲撃しフランス革命の口火が切られました。
上記の二つのエポックメイキングな出来事は、従来の土星がつかさどる支配体制を書き換える天王星の「変革」の象徴となったのです。
その当時ヨーロッパの周辺国もフランス同様王政(帝政)をとっていました。
この動きが自国に飛び火してはかなわんということで、革命をつぶすためフランスを囲む欧州連合が結成されました。
フランスとしては、国王夫妻の首をはねてまで達成した革命がつぶされてなるものか、と、いうことで世界初の国民による軍隊が結成されました。
ヨーロッパ諸国との戦争がはじまります。
貴族や金で雇われた兵で結成する周辺国と違い、自分の国を守るために国民自ら結成された軍隊は鬼強かったのです。
そこで大活躍したのがのちに皇帝となるナポレオンです。
革命や独立は成し遂げれば終わりではありません。
民衆の手で勝ち取ったものを護るためには、外国に攻撃された際は国民自らが血を流して戦わねばならない、そんな国民意識の熟成が必要とされました。
革命の後に生まれた「愛国主義」。
天王星が「右翼」を象徴するゆえんです。
この場合の「右翼」は「保守」と同義語ではありません。
「保守」は土星の管轄です。
天王星は現状を変えることはいとわない天体です。
そもそも「右翼」と「左翼」という語はフランス革命から始まっています。
貴族や富裕層主導によるゆるやかな革命を支持するのが右翼、
一般民衆を含めたすべての国民が参加する過激な革命を支持したのが左翼でした。
これは議会においての席の位置を表す言葉だったのですけどね。
こののち政治思想を表す用語として、より過激な変革を求める方を「左翼」。
何らかの変革の必要性は認めていても、従来のものも守りつつ穏健な形をとりたがるのを「右翼」と呼ぶようになります。
そして次の章で語る「共産主義革命」という過激な思想を「左翼」と呼ぶようになるのです。
「民衆を導く自由の女神」ドラクロワ(パブリックドメインより)
ロシア革命に象徴される海王星
海王星が発見されたのは1846年9月23日。
時代は欧州にて産業革命の影響が浸透しており、その波が植民地政策とともに世界に蔓延しようとしている頃でした。
産業革命(と植民地政策)は人類に大きな発展をもたらしたが、労働者や植民地への詐取など深刻な問題もはらんでいました。
実際いくつかの国で共産主義革命がおこりました。
富や財産に対して人の心理をまるっと無視した
あまりにもぶっ飛んだ理想!
と、いう言い方もすでにベルリンの壁などが崩壊した現在。
共産主義が戦争よりさらにひどい被害をもたらしたことがわかっているから言えることです。
現実を無視した理想(あるいは妄想)こそ海王星の真骨頂です。
海王星は良い形にはたらけば、アーティスティックな分野等に素晴らしいインスピレーションを与えるけど、現実世界にそのまま反映させようとするとさまざまな矛盾が出てきます。
でも、そもそも海王星にとって「現実」はどうでもいいのです。
海王星は「詐欺」「欺瞞」の星でもあります。
ここでいう詐欺とは、水星が悪い形ではたらいた時のように、言葉をもてあそび策を弄して人をだますのとは異なります。
現実と理想を天秤にかけた時、理想の方が大切だから、それを実現するためにはちょっとくらい言ってることと現実がずれていても許されると、本気で思ってしまうのが海王星なのです。
余談ですが昭和の漫画の話
タイトルにある「右翼」と「左翼」ですが、現在日本で言われている区別は、学生運動の盛んだったころより、後に生まれた世代のブログ主には難しいものでした。
むしろ池田理代子さんのフランス革命を舞台にした『ベルサイユのばら』やその後のナポレオンを中心とした『エロイカ』を読み、原意からの知識をもとにした理解の方が私たちにはなじみがあったのです。
そしてロシア革命の知識の原点は、これも池田理代子さんの『オルフェウスの窓』からでした。
それではまた<(_ _)>。