『進撃の巨人The Final Season Part2』が現在放送中です。
主人公がここまでダークサイドに堕ちていく展開の漫画もそうはないでしょう。
進撃の牡羊座
生まれただけでえらい赤ん坊パワー
主人公のエレン・イエーガーは3月30日牡羊座生まれの設定です。
エレメンツで言えば「火」そして活動宮です。
直情径行が強く子供ような純粋さがあります。
「おれがこの世に生まれたからだ」
と、極めてシンプルに語っておりました。
エレンの母カルラは、生まれてきてくれたというだけで無条件に息子のエレンを愛しました。自分たちの期待通りに育たなかったからと、ジークが両親から冷たい態度を取られたのと対照的です。
兄弟の意見が分かれた大きな理由は確かにそこにもあるでしょう。
ただそれだけじゃなく牡羊座には、自分が何者かもわからない生まれたばかりの赤ん坊が世界を探ろうとする欲求、「この世に生まれる」ということ自体をそれだけで肯定するパワーがあるのでしょう。
純粋すぎてだまされ(洗脳され)やすい
ファイナルシーズン前半をけん引してきた、マーレの中のヒロイン的な立ち位置にいたガビも4月14日の牡羊座生まれの設定です。
私があんたたちと違うのは覚悟だよ。エルディア人の運命を背負い、私たちを苦しめるあの島の悪魔共を皆殺しにする覚悟だ
騒がしい性格で自信家、そして上記のような、読者をドン引きさせるような強烈なセリフを登場してすぐ口に出していました。
主人公エレンたちのエルディア人の先祖は、巨人化能力を利用して多民族を侵略しまくり、その後内紛で国力低下した後に一部のエルディア人を引き連れパラディ島に引きこもっていたのです。
大陸に取り残されたエルディア人はマーレで差別を受けながらも巨人化能力を軍事的に利用され、教育によって「贖罪意識」とか巧みに植え付けられていた模様。
もちろんそんなマーレのやり方に反発を覚えるキャラも登場するけど、ガビちゃんは何の疑問もたずマーレの思うつぼ的な使命感に燃えていたようです。
牡羊座の洗脳され(だまされ)やすさって、魚座の自分と他人との境界があいまいさゆえに起こるものと違い、赤ん坊が初めて接した世界をそのまま受け入れるような感じのものなのですね。
進撃世界は活動宮のグランドクロス
ストーリーをけん引する主人公と重要キャラの牡羊座的な要素を語りましたが、彼らが動く動機は、牡羊座とスクエア(90度)関係にある蟹座的です。
蟹座は自分が所属する共同体への愛情、「家族愛」、「郷土愛」、「同胞愛」、「愛国心」などが強い星座です。
カビは故郷の収容区を襲撃した敵を単独で討とうと、飛行船を追いかけているところを、彼女に思いを寄せているファルコに止められ、
こんな収容区でも、私の大切な人達のいる私の家だから。それを踏みにじられることは許せないの!それでもあんたは私に走るなというの?
また始祖の巨人の力を手に入れたエレンは全てのユミルの民に、
おれの目的は、おれが生まれ育ったパラディ島の人々を守ることにある。
しかし、世界はパラディ島の人々が死滅することを望み、長い時間をかけ膨れ上がった憎悪はこの島のみならず、すべてのユミルの民が殺され尽くすまで止まらないだろう。俺はその望みを拒む。
両者とも自分が属する共同体への愛がその行動の動機になっていることを語ります。
進撃世界では共同体の中の人々を守りたいという思いが、それ以外の世界の利益に必ずしもつながらないという皮肉に何度も直面します。
だからといって島の外の人間をすべて駆逐するか?
軍事施設だけ攻撃など穏便な形では解決できないか?
答えの出ない重いテーマがあるのですね。
活動宮には天秤座と山羊座もあります。
山羊座は社会のシステムとか規範とかを重んじる星座で、『進撃の巨人』では体制を維持しようとする側と、エレンが所属する調査兵団との対立が何度も描かれました。
また天秤座は、牡羊座特有の「自分が何者でどうありたいか」ではなく、「他人が自分に何を望むか」を察知しその通りにふるまうことを良しとする星座です。
これは女王になる前のヒストリアの姿などを連想させます。
しかし、ヒストリアは最終的に父の願いを拒絶します。
天秤座的な姿勢が牡羊座的な価値観によって否定されたシーンです。
十二星座を三分割した活動宮・不動宮・柔軟宮同士の星座は強い葛藤をもたらします。四つの星座がそろってホロスコープ上に十字形を描くことを「グランドクロス」といって、困難と強い葛藤を象徴します。
『進撃の巨人』のストーリー展開そのものが、それをほうふつとさせているのです。
それではまた<(_ _)>。